海外どっこいネットニュース

iPhonやAndroidなどのスマートフォン向けのアプリがユーザー情報を収集して広告会社に送信していると言う話があちこちから出ている。

6月にはアメリカのセキュリティ関連会社がモバイルアプリで個人情報にアクセスできるものが多数あり、詐欺などに利用されたり、マルウェアに感染したりする恐れがあるという発表をした。
サードパーティーアプリから個人情報や機密情報にアクセスできるものが20％に上ったらしい。

7月にはラスベガスのセキュリティカンファレンスでモバイルアプリケーションでユーザーの電話番号などの情報を外部に送信している不審なアプリが報告された。
携帯電話番号、加入者識別番号、ボイスメール番号といったデータを外部のサーバに転送していたという話だ。

8月にはゲームアプリにユーザーの位置情報を監視するトロイの木馬を組み込んだアプリが発見された

また今月17日にはウォールストリートジャーナルがiPhonやAndroidの人気アプリ100あまりを調査した所、半数はユーザーの同意なしに端末IDや位置情報を送信し、年齢性別などの個人情報を送るものも5つあったと言う記事を掲載したばかり。

そして20日にモバイル広告業界団体のMobile Marketing Association（MMA）がモバイル業界のプライバシーガイドラインを策定する取り組みを立ち上げた。

Mobile Marketing Association（MMA）2002年にアメリカとイギリスの大手モバイル広告業界団体のWireless Advertising Association（WAA）とWireless Marketing Association（WMA）が合併して設立された団体。ワイヤレス広告の技術，ビジネス，クリエイティブ，効果測定，プライバシーなどについてガイドラインの策定などをしている。

モバイルはPC以上に手軽に使えるが、反面使っている側はPC以上にセキュリティやネットの知識などが低いように思う。このモバイル関連のアプリでユーザーの知らない間に個人情報を収集しているのはかなり問題だろう。

MMAの新しいプライバシーガイドラインの取り組みはSMSや電子メール、音声通信やアプリ、モバイルインターネット、コンテンツなどなど広範なモバイル媒体を対象とするもの。
「新しい産業として、モバイル分野には『設計段階からプライバシー保護を考える』というコンセプトをすべての関係者が積極的に取り入れる大きな機会がある」
とMMAプライバシー委員会のアラン・チャペル共同議長は話している。

『設計段階からプライバシー保護を考える』というのは当然の事のように思うが、逆に言えば「それさえもまだ行われていなかった業界なのか？」と改めて驚いた。
それだけまだまだ新しい・歴史のない業界と言う事になるのだろう。
業界としてのモラルやプライバシーの考え方が、現実のサービスの拡大に追いついていないと言う事か。


業界だけでなく消費者側も早く成熟して怪しいアプリが飛び交わないようにしてほしいと思う。